スタイリストの助手だった女の子が独立して、別の助手を連れてくる。
その子もいつのまにか独り立ちして、別の助手を連れている。
永倉万治さんの「晴れた空、そよぐ風」という本にある「スタイリストはねずみ算式に増える」というエッセイにそんなことが書かれています。
彼女たちの増殖力のすごさがテーマなんですけど、その前に、ネタ振りとしてパンダについて書いているんです。
パンダの繁殖力は情けないと書いておいて、あとでオチにつなげるのが狙いなんですけど、その狙いはバレないようにしてあります。
人間以外の動物が見てもパンダはかわいいんだろうかとか、ライオンが見たら「うまそう」と思うのか、なんて話を広げています。
パンダの繁殖力の話はちょっとだけ出して、すぐに話を変えちゃうんです。
そのあとスタイリストが増殖していく話を読んで、へえ、おもしろいなと思ったところで最後に
「パンダにも聞かせてやりたいような話である。」
と、締めているんです。
パンダと比べることでスタイリストのすごさが強調されるかどうかは、よく分かりません。
でも、オチが着いて話がおもしろくなっているのは確かだと思います。
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