林真理子さんの本は3冊ぐらいしか読んだことがないんですけど「猫の時間」という、世の中をきびしい感じで語ったエッセイ集がちょっと好きです。
この本の中に「手づくり」というタイトルの文章があります。
バザーなんかで「手づくり」とか言って小さいお菓子が高い値段で売られていてぜんぜん売れていなかった、なんていう話が中心で。
「手づくり」という言葉が言い訳のように使われて、そして通用していない、みたいなことが書かれています。
その中で、お菓子づくりのプロと素人のちがいについて、軽く触れている部分があるんです。
素人がつくったお菓子でもオーブンから出した直後の熱々とか出来立てなら、プロを超えたおいしさになることもある。
でもそのあと時間がたったものはプロにかなわない。
プロはそこまで計算してつくっていると書いてあるんです。
これを読んだときは、とても重要なことを教えてもらった気がしました。
おいしいものを目指すにしても、やみくもにつくっても限界がある。
プロはもっと先のポイントまで考えているんだと。
「愛情がある」というのも、親類ならいいけど他人には通用しないとバッサリと書いてあって、それも痛快でした。
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