2015年10月12日月曜日

佐山一郎さんのヒネリと言葉のチョイスが光る1行


佐山一郎さんというと僕としては、スタジオボイスの編集長だったひとでカルチャーのひと、あるいはファッションのひと、という印象があります。

昔、NHK-FMの「FMホットライン」という番組に出ていたヘラヘラした喋りの変なひと、という印象もあります。

最近はやっぱり、サッカー評論のひとなんでしょうか。

佐山さんの本に「こんなサッカーのコラムばかり雑誌に書いていた。」というのがあります。
全然ヒネリがないのが、逆にひねくれた感じのタイトルですね。

その本の中に、サッカーについて書かれた本をいくつか紹介している文があって、それがこのような1行で締められています。

「優れたサッカー関連書の行間からはいつも芝生の香りが立ちのぼる。」

これは美しいですね。
とてもヒネリが効いてるんですけど、スーッと届いて気持ち良いあと味を残す文章です。

本を象徴するものとして持ってきたのが文字でも文章でもなく「行間」。
そしてサッカーからは選手でもボールでもなく「芝生の香り」。

このチョイスが考え抜かれてます。

さらに「立ちのぼる」なんていう言葉は、僕は使ったことないし、もしかしたら聞いたこともなかったかもしれません。

こんなフレーズ、自分でも書いてみたいなと思いますけど、聞いたこともない言葉は出てきませんね。

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