本を読むときに、最初の1行がおもしろいかどうかって、重要だと思います。
先を読むのが楽しみになるような書き出しであってほしいものです。
島村麻里さんの「OLモノ バッグの中の持ち物検査」という本があります。
女性がバッグに入れてる物、あるいは身近に置いている物について書いたエッセイ集です。
ネタになっているのは、スケジュール帳や名刺、香水や紙クズなどからパンティやコンドームまで。
そんな本の、まえがきの最初の1行は、こう書かれています。
「一日でいいから、成田の入国審査官あたりになってみたいものです。」
いいですね。
ひとの持ち物を探るのが大好きですと宣言するような、このあとどんな文章が出てくるのか説明するような書き出し。
このひとはとても考えて文章を書くひとなんだと分かります。
1行でこんなに喜ばせてくれる本ですから、中身のほうもおもしろくて繰り返し読んでます。
島村麻里さんは2008年に亡くなっているそうで、残念なことです。
残っている本の中に、島村さんの素敵な文章がたくさんあることはまちがいないので、それを味わっていきたいと思います。
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