山口瞳さんのエッセイに、若いころの真部一男さんが着物をきて歩いていたら明らかに恐い組織のおじさんに声をかけられたという話が出てきます。
おじさんは真部さんに
「お前、どこの組のもんだ?」
と聞いたらしいです。
真部さんは素直に
「日本将棋連盟です」
それを聞いたおじさんは
「そうか」
と言って去っていったそうです。
イキな感じの真部さんらしいエピソードです。
将棋のくわしいことは分からないんですけど、テレビで何度か見た真部さんの独特の存在感は印象に残っています。
なかでも、NHKのトーナメントでの羽生義治さんとの対局。
真部さん優勢の終盤、羽生さんがものすごい追い上げを見せて、またしても羽生マジックかという展開になりながら、きわどく真部さんの勝利で終わりました。
しかし解説していた棋士のひとが、羽生さんの勝ち手を見つけていたんです。
感想戦でその手順で指しながら真部さんが「これ、ヤバイ」なんて言ってました。
羽生さんに勝ったのに複雑そうな顔をしてる真部さんもイキな感じだったことを何となく覚えています。
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