2015年11月22日日曜日

QBで僕のあとに来たバリカン少年


冬の寒さにも弱いけど、夏の冷房の寒さにも僕はかなり弱い。
夏だと自分が薄着だし。

冷房の聞いた床屋さんは、僕にとってけっこう苦手な場所。

そもそも髪を切ってもらうだけでも緊張する。
そのうえ冷房が強いとツライし、トイレにも行きたくなっちゃう。

QBだと料金も安いし、時間が10分で済むのも助かるんだけど、それでもちょっとツライことがある。

その日も外は暑かったけど冷房の効いたQBでカットしてもらっていて、やっぱり寒かった。
これはQBが悪いんじゃなくて、寒がりの僕が悪い。

「早く終わらないかな」とか思ってるところに、少年と思われるハキハキした声のお客さんがきた。

店員さんに「バリカンの、いちばん短いので」と、すがすがしく頼んでいた。

いちおう店員さんは「1ミリだよ。お坊さんみたいになっちゃうよ」と確認してた。
少年は「友達と決めたんです。大丈夫です」という返事。

僕よりあとに来た少年だけど、すばらしい速さで先に終わって出ていった。
なにしろバリカンだけだから。

寒さもトイレも心配ないぐらいのスピードがうらやましかった。

それから数ヶ月後、僕はバリカンを買って自分で髪をカットするようになった。

いろいろなものから、一気に解放されて楽になった。
でも勇気がないからお坊さんみたいな頭にはできなくて、中途半端な髪型をしている。

そしてたまに失敗して恥ずかしい頭になる。

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