2015年11月26日木曜日

おとなしいと思っていた犬は、おとなしくなかった


歩いて近所のパン屋さんに買い物に行く途中で、よく見る犬がいる。

道沿いの家で飼われていて、いつも道の近くにいる。
そこを通るときは、犬のすぐそばを通ることになる。

種類とかはよく分からないんだけど秋田犬っぽい感じの、中ぐらいの大きさの犬。

けっこう迫力があるのに、この犬はすごくおとなしい。
僕と目が合っても、キョトンとした顔で座ってる。

ある日、その道を通ってパンを買いに行ったら、前から、けっこう大きな犬を連れたおじさんが歩いてきた。

おじさんと大きい犬が、おとなしい犬がいる家の近くにきた。
そこでナゼかおじさんが突然ダッシュして、連れてる犬を引きずるように走り出した。

何やってるんだろうと思ったら、すごみのある「ワン、ワンッ」という声が聞こえた。

おじさんが連れてるほうの犬はしかたなく走ってるだけな感じで、吠えてはいなかった。
ということは、あのおとなしい犬が吠えたということだ。

おじさんはそれを分かっているからダッシュしたのだろう。

ずっとおとなしい犬だと思っていたけど、ほんとうは気性の荒い犬なのかも。

おじさんと大きな犬は通りすぎて、そのあと僕が、おとなしい犬の前を通ることに。
激しく吠える声を聞いたので、けっこうビビッていた。

恐る恐るという気持ちで通ったら、犬はいつもどおりのキョトンとした顔。

やっぱりおとなしくてホッとしたけど、僕はかくれた一面を見てしまった。
その道を通るときはなんか気まずくなって、もうあの頃にはもどれない。

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