2015年11月28日土曜日

一度だけ中野駅に行ったときに買った、あらきなおみさんのCD


まわりに誰もいないと、僕はよく鼻歌をうたう。

いちばんよくうたうのは、あらきなおみさんの「青い日々」という歌。
あまり知られていない曲でマニアック自慢みたいだけど、僕は大好きな曲。

前に会社づとめをしていたときに、中野駅のちかくにある得意先にたまたま行くことになった。
その得意先に行ったのは一度だけで、僕が中野駅で降りたのも人生でその一度だけ。

仕事が済んだときは夜で直帰していいことなって、電車に乗る前に見かけたレコード屋さんに入ってみた。

そのころ僕は、日本のインディCDを音も知らずに買うのがちょっと好きだった。
中野のそのレコード屋さんはインディ作品もなかなか豊富で、そのとき買った中の1枚が、あらきなおみさんの「東京トラッド」というミニ・アルバム。

早川義夫さんの「サルビアの花」をレゲエ・アレンジにした曲なんかも入ってる。
そして聴いた瞬間から強烈に好きになってしまったのが「青い日々」という曲だった。

生ピアノだけの演奏をバックにうたわれる教会音楽のような曲。
何度も聴いたし、それ以上に何度もうたった。鼻歌で。

この曲を世界でいちばん多くうたったのは僕なんじゃないかとすら思う。
あらきさん本人より多いんじゃないかと。

歌詞の最初が「坂道」という言葉で、ひょっとしたら「坂道」という言葉を世界でいちばん多く言ったのも僕なのではとも。
でも、さすがにこれはほかに強敵がいそう。

そのぐらい好きな曲なんだけど、あの日たまたま中野に行なかったら聴くことすらなかったと思う。
中野の得意先に行って何をやってきたのかは完全に忘れちゃった。

でもこのCDを買ったことで、中野は僕にとって素晴らしい場所になってる。

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