「森博嗣のミステリィ工作室」という400ページを超える本があります。
3部に分かれている第1部で、森さんが100冊のミステリー作品について語っています。
それぞれ短い文章にまとめられていて、とても中身が濃いです。
その51冊目でシドニィ・シェルダンの「ゲームの達人」という作品について、森さんは、
「たまたま主人公の視点からずっと見ているからミステリーではないけれど、他人の視点から描写すれば立派なミステリィになるでしょう」
と書いています。
僕は「ゲームの達人」という本は読んだことがないんですけど、どんな作品だろうと興味が出てくる文章です。
さらに、人生が変わるほどではないけど面白い、みたいなことも言っています。
そのへんのことを総合して最後に、
「味はないけれど喉が渇いたときには美味しい、ポカリスエットみたいなものじゃないでしょうか。」
と締めているんです。
小説を解説するのにポカリをもってきちゃう。
ほどほどのおもしろさみたいな中途半端っぽいものが分かりやすく伝わってきます。
このような解説が100冊分ある「森博嗣のミステリィ工作室」は、物の見方や表現のヒントが詰め込まれていて、いろいろ勉強になる本です。
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